地域看護学分野

地域に密着した看護を。より良い方向に変えていける人材へ。

「地域看護学分野」の領域では、まず地域における生活習慣病予防、介護予防、障害者・虚弱者・家族の生活支援、看護支援などにおける諸問題を、疫学的な視点から分析したり、マネジメントの視点から探求することが必要です。これらの能力を身につけながら、包括的・総合的にその内容を評価し、解決していく方法を教授します。さらに、保健・医療・福祉が連携することの重要性を踏まえたうえで、病院、施設、在宅など多様なケアサービス提供の場におけるマネジメントの特殊性についても教授します。
実習体制としては、地域看護学の専門看護師(CNS)のいる施設や、公衆衛生看護管理活動の指導者のいる自治体での実習を準備しています。また本学は淡路市との公私協力のもと、「平成19年度国保ヘルスアップ事業・フォローアップ事業」を展開してきた実績や地域住民組織との交流があり、保健・医療・福祉の分野でも協働できる体制が整っています。また教員も、長きにわたる地域看護での臨地経験を通じて、行政の実態や政策のシステムを熟知しており、地域でNPO活動を行うなど組織やシステムづくりの経験も豊富です。さらに在宅看護や介護予防の研究を継続して行っていることから、組織改革やシステム構築の根拠資料も提示でき、実践的な教授が可能です。

高度実践者看護職養成コース

履修内容

地域の保健・福祉・医療のコーディネーターとして、ケアの調整・統合を行ったり、地域に密着した先駆的・広域的な看護支援を開発できる能力を養います。まず、公衆衛生看護の視点をベースとして、地域の保健統計資料や医療費を分析し、健康ニーズをアセスメントし、それらを評価する能力や、看護体制を改善・改革へと導く実践能力を養うために、看護政策論やコンサルテーション論を履修。さらに専門科目として、地域看護にかかる理論や概念を幅広く履修します。特に、地域看護における組織体制や実践方法の改革・改善に向けた教育モデルや組織モデルを構築するための科目に力を入れ、研究能力と改革能力を身につけたうえで修士論文を作成します。

養成する人材像

  • 保健・医療・福祉のコーディネーターとして、ニーズを組織的に解決できる人材
  • 地域の特性や文化を活かした看護支援の開発や、介護予防戦略の展開ができる人材

こんな方におすすめ

  • 地域のニーズを協働して解決したい
  • その地域に合った看護支援の開発や、介護予防戦略を立てたい

教育者・研究者養成コース

履修内容

地域看護に関する教育・研究に関われる人材や、地域の看護体制をマネジメントする力を持った人材を養成。共通科目を通じて研究に必要な看護理論や研究方法論の基礎を学ぶとともに、教育・研究にかかる倫理学を学び、研究開発に必要な力を身につけます。また、地域看護にかかる理論や看護教育に関する科目を履修し、修士論文を作成します。

養成する人材像

  • 大学や研究機関で地域看護に関する教育・研究に携わる人材
  • 地域組織運営のマネジメントや施策の提言、地域に密着した看護システムの構築ができる人材

こんな方におすすめ

  • 地域看護の研究をしたい
  • 地域看護領域の人材育成に携わりたい
  • 地域に密着した看護システムの構築や施策を打てる力を身につけたい
  • 地域組織のマネジメント能力をつけたい

教員紹介

伊木 智子教授

研究概要
地域で暮らす人々の健康維持・増進と組織化及び地域づくりに関する研究指導を行っています
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古川 秀敏教授

研究概要
在宅における患者とその家族に対する看護援助とケアシステムの構築に関する研究指導を行っています。
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カリキュラム

共通専門科目

科目名 単位数 配当年次
必修 選択
看護理論 2 1通
研究方法論 2 1通
看護診断学 2 1通
看護教育論 2 1通
看護管理学 2 1通
看護政策論 2 1通
コンサルテーション論 2 1通

共通基礎科目

科目名 単位数 配当年次
必修 選択
倫理論 2 1通
社会学 2 1通
臨床心理学 2 1通
保健統計学* 2 1通

地域看護学分野

科目名 単位数 配当年次
必修 選択
地域看護学特論1 2 1通
地域看護学特論2 2 1通
地域看護学演習1 2 1通
地域看護学演習2 4 1・2通
地域看護学セミナー 4 1・2通
地域看護学実習** 4 1・2通

分野共通

科目名 単位数 配当年次
必修 選択
看護学特別研究 6 1・2通

修了要件

30単位以上

専門科目の中から履修科目を選び、共通専門科目の必修6単位、共通専門科目と共通基礎科目の選択から4単位以上の計10単位以上に加え、特論4単位、演習6単位、セミナー4単位、看護学特別研究6単位の計20単位を修得します(高度専門看護職養成コースを選択した場合は実習4単位を履修)。

長期履修制度

職業を有している等の理由によって、定められた2年間で大学院の教育課程の履修を終えることが困難な場合に限り、修業年限を3年間とする長期履修制度を導入。働きながら学びを深めたいという人を応援する制度です。実際に仕事を持ちながら学んでいる大学院生も在籍しています。

昼夜開講科目

昼間仕事をもっている人のために、夜間にも授業を開講しています。本学は学部からの進学者だけでなく、臨床現場での経験と大学院での学びをリンクさせながら、よりスキルアップ、ステップアップしたいという社会人の方にも広く門戸を開いています。