慢性疾患をもつ人が、豊かな生活を送るための研究と実践
「慢性看護学分野」は、慢性疾患をもつ個人の看護や、その家族のケアに関する領域です。慢性疾患患者は、その病気特有の症状が出るだけでなく、さまざまな要因によって身体的・心理的な危機状態に陥ることがあります。そのため、慢性疾患をもつ人が豊かな生活を送るためには、看護者の幅広い専門知識と高度な技術、倫理観が必要となります。さらに、より効果的な支援を行うには、医療チームにおけるマネジメント能力や組織の開発力も求められるため、これらの内容についても体系的に学べます。また、成人期の慢性疾患は特に社会生活や家族生活への影響が大きいことから、成人看護学を中心に学んでいきます。
具体的な研究内容は、慢性疾患患者を包括的にとらえるため、疾患と治療に関する最新の理論の研究や、慢性疾患患者の特性や看護についての研究成果に基づき、その理論と技術のさらなる発展をめざした実践的な研究となります。実習施設は、慢性疾患の専門外来をもつ病院や専門看護師(CNS)・認定看護師(CN)がいる淡路島内外の施設です。訪問看護実習なども行っています。この領域の教育研究実績を充分に持つ専任教員もそろっており、高度な援助能力と実践力を身につけられる環境が整っています。
高度実践者看護職養成コース
履修内容
実践的で高いスキルを持つ看護師であると同時に、携わる現場における看護の質の向上や実践体制の改善・改革に向けて指導的役割を果たせる看護師を養成するためのコースです。初めにこれからの研究に必要な科目や、実践を支える理論に関する科目を履修します。また、慢性疾患に関する先進医療や、看護政策論などに関する科目も幅広く履修。さらに、患者の心理や自己管理について理解するための看護診断学、その他諸理論などの科目を履修し、包括的に慢性疾患患者を理解するための医学的専門知識やアセスメント技術を修得します。そのうえで、患者を援助する中での課題を明らかにするための研究能力を身につけ、患者の治療環境を改善する戦略を立て、改革する能力を養う科目を履修し、修士論文を作成します。
養成する人材像
- 慢性疾患患者が豊かな生活を送るために、幅広い専門知識と高度な技術、倫理観をもって支援できる人材
支援できる人材
看護の質の向上、実践体制の改善や改革に向けて指導的役割を果たす人材
こんな方におすすめ
- 看護師としてレベルアップしたい
- チームのリーダーとして活躍したい
- 看護体制の改善や改革に興味がある
- マネジメントスキルを向上したい
- 現場の看護の質を上げる側として存在したい
教育者・研究者養成コース
履修内容
慢性看護についての理論や概念を開発できる能力や、慢性看護の質を高めるための教育・研究に携わることができる能力を養成します。初めに、研究方法論や保健統計学、哲学や倫理学といった看護理論や看護教育に関する科目を履修。その後、慢性看護の対象者を包括的にとらえ、分析し、看護に有用な理論やケア開発に必要な研究能力を養うため、研究・教育・実践の専門能力を身につける科目を履修し、修士論文を作成します。
養成する人材像
- 慢性看護についての理論や概念を開発できる人材
- 慢性看護の質を高めるための教育・研究に携わる人材
こんな方におすすめ
- 慢性看護学の研究をしたい
- 将来的に看護師の人材育成に携わりたい
- 看護体制の改善や改革に尽力したい
教員紹介
カリキュラム
共通専門科目
科目名 | 単位数 | 配当年次 | |
---|---|---|---|
必修 | 選択 | ||
看護理論 | 2 | 1通 | |
研究方法論 | 2 | 1通 | |
看護診断学 | 2 | 1通 | |
看護教育論 | 2 | 1通 | |
看護管理学 | 2 | 1通 | |
看護政策論 | 2 | 1通 | |
コンサルテーション論 | 2 | 1通 |
共通基礎科目
科目名 | 単位数 | 配当年次 | |
---|---|---|---|
必修 | 選択 | ||
倫理論 | 2 | 1通 | |
社会学 | 2 | 1通 | |
臨床心理学 | 2 | 1通 | |
保健統計学* | 2 | 1通 |
慢性看護学分野
科目名 | 単位数 | 配当年次 | |
---|---|---|---|
必修 | 選択 | ||
慢性看護学特論1 | 2 | 1通 | |
慢性看護学特論2 | 2 | 1通 | |
慢性看護学演習1 | 2 | 1通 | |
慢性看護学演習2 | 4 | 1・2通 | |
慢性看護学セミナー | 4 | 1・2通 | |
慢性看護学実習** | 4 | 1・2通 |
分野共通
科目名 | 単位数 | 配当年次 | |
---|---|---|---|
必修 | 選択 | ||
看護学特別研究 | 6 | 1・2通 |
修了要件
30単位以上
専門科目の中から履修科目を選び、共通専門科目の必修6単位、共通専門科目と共通基礎科目の選択から4単位以上の計10単位以上に加え、特論4単位、演習6単位、セミナー4単位、看護学特別研究6単位の計20単位を修得します(高度専門看護職養成コースを選択した場合は実習4単位を履修)。
長期履修制度
仕事をしながら通理由によって、定められた2年間で大学院の教育課程の履修を終えることが困難な場合に限り、修業年限を3年間とする長期履修制度を導入。働きながら学びを深めたいという人を応援する制度です。実際に仕事を持ちながら学んでいる大学院生も在籍しています。
昼夜開講科目
昼間仕事をもっている人のために、夜間にも授業を開講しています。本学は学部からの進学者だけでなく、臨床現場での経験と大学院での学びをリンクさせながら、よりスキルアップ、ステップアップしたいという社会人の方にも広く門戸を開いています。