教員詳細 - 黒江 ゆり子

黒江 ゆり子

YURIKO KUROE 副学長/看護学部看護学科 特任教授

基礎看護学Ⅰ

学位
博士〔人間-環境学〕
専門分野
慢性看護学、基礎看護学
研究課題
・慢性の病いにおける心理社会的側面をふまえた実践領域に関する研究 ・看護学における事例研究法case study reserchに関する研究(実践事象分析を含む) ・看護実践研究法に関する研究
研究中のテーマ
・クロニックイルネスにおける「言いづらさ」と実践領域モデル ・事例研究法における実践事象分析の手続き ・看護学における「生活者」の歴史的経緯と意味
主要論文
・黒江ゆり子編著:クロニックイルネスにおける「言いづらさ」と実践領域モデル,みらい.2022.(ISBN:978-4860155612) ・柴田万智子,藤澤まこと,黒江ゆり子:看護学の事例研究法における分析方法に関する論考、岐阜県立看護大学紀要,23(1),121-127,2023. ・黒江ゆり子,房間美恵:慢性リウマチとともに生きる人々のレジリエンスを支えるために-Living with Illnessの視点-,臨床リウマチ(日本臨床リウマチ学会雑誌),234,5-15,2022. ・黒江ゆり子:糖尿病におけるスティグマとアドボケイトとしての支援-他者への「言いづらさ」をふまえて-,日本糖尿病教育看護学会誌,26(1),79-83,2022. ・黒江ゆり子,藤澤まこと,柴田万智子:慢性の病いにおけるスティグマとレジリエンス,岐阜県立看護大学紀要,22(1),85-91,2022.
所属学会
日本看護診断学会、日本慢性看護学会、日本糖尿病教育看護学会、日本災害看護学会、日本精神保健看護学会、日本糖尿病学会
経歴
学歴
聖路加看護大学(現聖路加国際大学)卒〔学士:衛生看護学〕
京都大学大学院人間-環境学研究科修士課程修了〔修士:人間-環境学〕
京都大学大学院人間-環境学研究科後期博士課程修了〔博士:人間-環境学〕

職歴
聖路加国際病院看護師(外科病棟、内科病棟)
聖路加看護大学成人看護学助手、奈良文化女子短期大学 講師・助教授、大阪市立大学看護短期大学部 教授
岐阜県立看護大学・大学院 教授
公立大学法人岐阜県立看護大学・大学院 学部長・理事、同大学・大学院 学長・理事長(2015-2021)〔公立大学法人岐阜県立看護大学名誉教授〕
関西看護医療大学 特任教授(2023.5~)

現場で一番大変だったことはどんなことでしたか?

・臨床の現場で一番大変だったことは、新人のときに対象の症状を的確にアセスメントすることと急変のときの対応でした。先輩看護師のサポートにより乗り越えることができました。 ・教育の現場で一番大変だったことは、高等教育の現場として文科省から求めれられる新たな組織づくりを更新していくことでした。組織メンバーのそれぞれの貴重な活動によって乗り越えることができました。

現場で一番嬉しかったエピソードは?

・臨床現場では、40歳代の男性ががんの疾患でターミナル状況となり、そのケアを続けていました。残念ながら、小さなお子さんを残して他界されました。最期のときは、夫人が泣き崩れて、かける言葉も思いつかない状況でした。お子さんのあどけない笑顔とともに何もできなかったことが私の心に重く残りました。ある日、病院からの帰りに地下鉄の駅に向かって歩いているときでした。声をかけてきた女性がいました。かわいい女の子をお連れでした。あの時の病院でのケアに感謝を伝えてくださったのです。私服の私が当時の看護師であることに気づかれたそのお気持ちに何か救われた思いがしました。 ・教育現場では、学生と一緒に在宅訪問を続けたときに、ご本人とご家族にとても喜んでいただき写真を撮りましょうということになりました。ご本人とご家族と訪問看護師と学生と一緒に写真を撮ったところ、ご本人さんを囲んで写っている誰もが満面の笑顔でした。その後、ご本人さんは他界されましたが、いただいたその写真は、私の宝ものになっています。

これから看護職を目指す人へのメッセージ

ケアをするということは、その人の人生の一部に触れることでもあるのです。これまでどのように生きてこられたのか、今をどのように生きているのか、そしてこれからをどのように生きていこうとしているのかを教えてもらいながら、ケアすることができると素敵です。

看護職を一言で表すと?

ケア哲学を実践できる人

今後チャレンジしたいこと、大学で取り組みたいこと

今後チャレンジしたいことは次のようです。 (a)看護学における事例研究法case study researchに関する探求を続け、実践事象分析の方法論を確立し、看護の質向上に寄与すること。 (b)日本の文化及び保健医療福祉状況に適した看護系統診断学の確立を推進すること。 (c)看護実践研究の哲学的基盤と理論的基盤の構築を図ること。