兵庫県初の私立4年制看護大学。淡路島に位置し、神戸・明石からのアクセスが便利。看護の心と技術を伝えます。

関西看護医療大学

これからの看護とは 地域・病院・大学の連携により、市民の方々が安心して暮らせる医療環境を

近年、高齢社会や国民の健康意識の高まりにともなってさまざまな医療政策が展開されており、看護に求められるものは大きく変わりつつある。これからの新しい時代、看護はどうなっていくのだろうか。

これからの看護のキーワード 高齢社会と健康意識の高まり

これからの看護のキーワード 高齢社会と健康意識の高まりこれからの看護を語る上で重要なキーワードとなるのが、高齢社会と国民の健康意識の高まりだ。2008年からはメタボリックシンドロームを予防・改善するための特定検診・保健指導を実施するなど、厚生労働省も健康維持・病気予防に本腰を入れている。
そして高齢社会においては、慣れ親しんだ自宅で看護師や介護士からのサービスを受けながら、人生の円熟期を過ごせるようにする老年看護の役割がますます重要に。高齢者の多い淡路島に開設された関西看護医療大学・看護学科・学科長 前田三枝子教授は、高齢社会における地域医療についてこう語る。
「入院治療や入所による看護・介護ではなく、地域の中で、看護師、保健師、理学療法士、ヘルパー、医師など、さまざまな医療専門職が一人の患者さんを支えていく。それが、これからの地域医療です。そして、臨床診断能力のある看護師は、重要な位置を占めることになるでしょう。
本学では、地域医療でリーダー的な役割を果たすことのできる看護師を育成するため、臨床はもちろんのこと、地域で生活している人をいかに支えていくことができるかという視点からの学びを展開しています。」

入院期間の短期化によって地域の看護師需要が高まっている

入院期間の短期化によって地域の看護師需要が高まっている急性期病院における入院医療が3カ月以内に限定されたことにより、従来は入院して治療を続けていた方が健康障害を持ったまま地域に戻り、通院や在宅治療を通して健康を回復していくことになった。そのため、地域の老人介護施設などでも、介護のことだけでなく、医療・病気のことを良く理解した人が必要な時代になってきている。
従来、地域の担う主な役割は介護だった。しかしこれからは、急性期病院から退院してきて、将来健康になる人もいれば、寝たきりになるのを予防しなければいけない人もいるという状態になる。そうした人々の健康状態を把握し、健康障害のある人のケアを担える存在として、看護師のさらなる活躍が期待されている。
しかし一方で、訪問看護を受けている方はわずか28万人で、要介護認定者350万人の1割にも満たないという現実もある。そこで日本看護協会は、2008年4月に厚生労働省老健局に「退院後に医療的なケア・管理を必要とする在宅療養者に対して訪問看護の必要性を理解するきっかけとして、最初の1回だけでも体験的に訪問看護を利用できる仕組みを、早急に導入してほしい」と訴えた。

特定保健指導をはじめとして保健師の担う役割も注目されている

保健師の担う役割は、住民に対して積極的に健康を推進することだ。そもそも、日本が現在のような長寿国になったのは、妊娠後に母子健康手帳をつけ、出産、その後まで、保健師が保健指導を行ってきた成果でもある。そうした保健指導を土台として、日本人の健康生活が守られている。
現在は少子化になり、成人や老人の看護・保健予防が大切になってきている。例えば、メタボリックシンドローム対策の特定保健指導においても保健師の担う役割は大きい。
指導と言うと、口で説明するだけのようにも思えるが、実際に行動が変わらなければ保健指導を行ったことにはならない。これからの保健師には、医療に関する知識とともに、より実践的な指導力が求められている。

現場の最新情報と看護の理論、情報共有が求められている

現場の最新情報と看護の理論、情報共有が求められている看護師になるためには看護大学や看護学校で医療知識や理論を身につける必要があるが、薬や医療機器の進歩が著しい今の時代、現場に出てからも最新の情報に触れていかなければならない。
実際に、一番新しい情報は大学よりも現場である病院に集まっている。しかし、それらの新しい情報を裏付ける看護理論や海外で発表された理論・情報は、大学などの研究教育機関に集約されている。どちらか一方に長けていれば良いのではなく、臨床と教育を連携させ、理論的裏づけに基づいて情報を判断し、行動することが大切だ。
そのため、病院や地域の医療施設などの現場と教育機関で情報を共有するための研修会を継続的に開こうという動きがある。そうした動きの中核を担うのが、さまざまな情報が集まる看護大学だ。

看護の専門家および市民への情報発信地「看護診断研究センター」開設

看護大学の使命は、教育だけでなく、看護についての情報を発信していくことにある。淡路市からの強い要請もあって設立された関西看護医療大学では、いかに淡路市、地域に貢献していくかを常に考えている。
そして、2008年4月に開設されたのが「関西看護医療大学看護診断研究センター」だ。「看護の専門家および一般市民への情報発信地」として、医師や看護師、その他医療関係者を対象とした研修や、一般市民の方を対象とした公開講座・健康講座などを開催。看護診断の普及とレベルアップを目的とした勉強会なども行っている。
看護診断は、医学診断とは異なり、看護のプロとして知識と技術を持った人が、患者さんに対する高度な看護を実現するためのもの。北アメリカ看護診断協会(North American Nursing Diagnosis Association, NANDA)では、「看護診断とは実在する、または潜在する健康上の問題/生活過程に対する患者個人・家族・地域社会の反応についての臨床判断である。看護診断は看護師が責任を負っている目的を達成するための看護介入の選択の基礎を提供する」ものと定義している。

「看護診断研究センター」が掲げる、研究・教育・実践の3本柱

看護の専門家および一般市民への情報発信地である「関西看護医療大学看護診断研究センター」では、研究・教育・実践を活動の3本柱としている。

研究 教育 実践
  • 看護診断の普及とレベルアップ
  • 看護介入の効果を証明し、診療報酬点数獲得へ提言する
  • 「看護治療技術」の開発
  • 地域保健職との地区住民の健康に関する共同調査研究の推進
  • 施設内継続教育の研修企画支援、講師派遣等
  • 地域の看護職のリカレント教育プログラムの提供
  • e-ラーニングの導入推進
  • 地区住民へ向けての健康教育、市民講座等の企画・実施
  • 在宅看護事業の支援
  • 施設看護管理体制の整備、管理能力向上、質保証

これからの看護・医療を見つめて…  大学における看護教育のめざすもの

関西看護医療大学・看護学科・学科長を務める前田三枝子教授は、海外の看護大学などを見てきた経験から、日本の看護大学の今後についてこう語る。
「アメリカの看護大学では、在宅介護部門を持っているところもあり、地域住民の家庭へ学生や教員が赴いて看護や介護を行うことで、地域を支えていました。また、学生にとっては臨床の教育現場を常に持つことができるというメリットも。日本では制度の違いがあるため、全く同じシステムは導入できませんが、私は、こういった教育のあり方を実現したいと考えています。さまざまな医療政策が展開されている今の時代、国の体制が変わったときにすぐ対応できるような人材を育成していく必要があるでしょう。目先のことだけではなく、5~10年先を見つめた大学教育を進めていきたいですね。」

これからの看護・医療を見つめて…  大学における看護教育のめざすもの

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